おっさんになった僕が何故ブッシュクラフトやキャンプに惹かれたのか?

昔はそんなにキャンプには全然興味がなかった
昭和時代の北海道の子供にありがちだけど、子供の頃は春になると親に連れられて毎年山菜採りに行ってた。フキノトウとかゼンマイとか、今思えばけっこう渋い体験してたなって思うけど、当時はそれが当たり前。山に入って、自然の中で遊ぶのが普通だった。
でも、中学くらいからガラッと変わった。家でプラモデル作ったり、ファミコンでゲームするのが楽しくて、気づいたら外遊びよりもインドアにどっぷり。山にもあんまり行かなくなったし、自然との距離が少しずつできていった。
そのまま高校、社会人と過ごして、アウトドアなんてまったくの他人事。自分には縁のない世界だと思ってた。
なのに、そんな自分が今はブッシュクラフトとかキャンプにどハマりしてるって、不思議なもんだよね。
なぜ惹かれたのか?
今思えば、完全にアウトドアと縁が切れてたわけでもなかったのかもしれない。
高校の頃、毎週楽しみにしてたアメリカのドラマがあってさ。「冒険野郎マクガイバー」って知ってる人いるかな? あのドラマ、かなり好きだった。
マクガイバーって、ピンチになるとそこにあるもの――ガムとか、クリップとか、ジャンクな道具――を使って危機を乗り越えていくんだよね。
銃も使わずに、知恵と工夫だけで切り抜ける姿がめちゃくちゃかっこよくて、「こんなふうに生きられたら最高だな」って思ってた。
とはいえ、当時はそれを真似して何かやったとかはなかったんだけど、ああいう“道具で状況を打開する”っていうスタイルがずっと頭の片隅に残ってたんだと思う。
そして、もう一つ影響を受けたのが漫画の「マスターキートン」。
こっちはもっとリアル寄りで、元SAS隊員で考古学者っていう肩書きの主人公が、知識とサバイバルスキルでトラブルを解決していく話。
マクガイバーで“憧れ”が芽生えて、マスターキートンで「これは自分の好みにドンピシャだ」って確信した感じ。
派手じゃなくても、そこにあるもので、どうにかする。そういうスタイルに強く惹かれてたんだよね。
ブッシュクラフトとの出会い

ある日、YouTubeで何気なく動画を見てたときのこと。おすすめ欄に、やたら渋いサムネの海外キャンプ動画が目に入ったんだよね。
何となくクリックしてみたら、それがめちゃくちゃ惹かれる内容だった。
テントを使わずに、ハンモックとタープで寝床を作って、ファイヤースターターで火をつけてる。
森を歩きながら、着火に使えそうな火口や食べられる野草を採ったりして、ナイフや斧で道具を作りながら過ごしてる。
いわゆる“ブッシュクラフト”ってやつだった。
「これだ…!」って、なぜか電気が走ったような感覚になった。
子供の頃に憧れてたマクガイバーやキートンの世界が、そのまま現実になってる感じ。しかもそれをやってる人たちがちゃんといるっていう事実に、すごくワクワクした。
それからは完全にはまり。海外のブッシュクラフト系の動画を片っ端から漁った。
ナイフの使い方、椅子の作り方、火床の作り方、焚き火の組み方、どれも興味津々で、見れば見るほど「早く自分もやってみたい!」って気持ちが強くなっていった。
実践に向けて、道具集めも始めた。
ナイフはたまたま手元に良いのがあったから、まずは折りたたみノコギリを購入。タープとファイヤースターターも揃えて、最低限の装備が揃ったところで、「さあ、いよいよだ」って感じだった。
ブッシュクラフト・キャンプの魅力
まずは、いきなり森に入るのはハードルが高かったから、キャンプ場から始めてみた。
ファイヤースターターで焚き火に挑戦したり、落ちている枯れ木でトライポットを組んでみたり。
思ってた以上に面白くて、「もっとやりたい!」って気持ちがどんどん強くなった。
でもすぐに気づいた。キャンプ場じゃ、できることに限界があるってこと。
ルールがしっかり決まってて、焚き火も地面直火NG、木の枝を拾うのも禁止、勝手な工作はもちろんNG。
当然っちゃ当然なんだけど、ブッシュクラフト的なことをやろうとすると、正直ちょっと物足りない。
それで、週末になると人の迷惑にならない山や森を探し回るようになった。
ちょうど1年くらい探した頃だったかな、「ここだ!」って思える場所を見つけた。
そこから、本格的な野営がスタート。
キャンプ場ではできなかった椅子作りやテーブル作り、焚き火のバリエーションなんかを色々試してみた。
もう、めちゃくちゃ楽しい。自然の中で自分の手で作って、自分のスペースが少しずつ形になっていく感じがたまらない。
最初の頃は、もちろん慎重だったよ。
誰もいないし、ヒグマも出るエリアだから、音に敏感になったり、匂いに気をつけたり、夜も熟睡できなかったり。
今でも気を抜くことはないけど、それもまた自然の中に身を置く緊張感というか、ある種の“生きてる実感”みたいなものになってる。
あとね、当時はまだ今みたいにキャンプブームじゃなかったから、ブッシュクラフトで使えそうな道具って本当に少なかった。
「これがあればな〜」って思っても、どこにも売ってない。
でも気づけば、「じゃあ自分で作ればいいか」って考え方になってて。椅子に使う布を自作したり、ちょっとした道具を改造したり。
そうやって工夫するのもまた楽しい。
気づけばもう、完全にハマってる。どっぷり、ブッシュクラフトに。
「おっさん」だからこそ、良かったと思えること
若い頃は、時間もお金もスキルもなくて「いつかやりたいなぁ」で終わってたことが多かったけど、ある程度年を取ると、できることがグッと増える。
子供の頃に憧れてた“夢の大人買い”もできるようになったし、欲しい道具があれば買える、気になった場所には自由に行ける。
1人で行動してても誰も何も言わないし、むしろ「自分の時間を楽しんでる」って思われるくらい。
行動範囲も広がるし、人とのつながりも増えて、情報も道具も集めやすくなってる。
そういう意味でも、大人になるって悪くないなって思う。
それに、年を重ねると不思議と見栄とかプライドも薄れてきて、人の目をそこまで気にしなくなるんだよね。
若い頃なら「1人で森に行って何してんの?」って言われたらちょっと気にしてたかもしれないけど、今はむしろ「だから何?」って感じで堂々とできる。
おっさんだからこそ、ブッシュクラフトの“1人で黙々と自然と向き合う時間”がしっくりくるのかもしれない。
まぁ、僕自身がもともと1人で過ごすのが好きっていうのもあるけど――森で1人、焚き火を眺めながら静かに過ごす時間って、本当に贅沢だと思う。
しがらみを捨てて自由に生きてみよう
思えば、子供の頃からずっと何かを作るのが好きだった。
プラモデルに始まり、写真を撮ったり、映像をいじったり。そんな趣味たちが、いまブッシュクラフトという形で、きれいにひとつにまとまってきた気がする。
自然の中で、自分の手で何かを作って、それを写真や動画で記録する。
昔からやってきたことが、森というフィールドで見事に噛み合ってくれるから、飽きるどころかどんどん楽しくなっていくんだよね。
そして今では、仕事で出会った人たちと「道央ブッシュクラフト協会」なんてものまで立ち上げて、年に3〜4回、「大人の焚き火会」を開いてる。
焚き火を囲んでコーヒー飲んだり、他愛のない話をしたり、何も話さなかったり――そういう時間が、ほんとに最高!
もしブッシュクラフトを趣味にしてなかったら、こんなふうに新しい仲間とつながることもなかったかもしれないし、自分で森を整備してフィールドを持つなんて発想すら出てこなかったと思う。
今は、友人の持ってる土地の一部にある森を借りて、整備して、自分たちの“秘密基地”みたいにしてる。まるで少年時代に戻ったような、でもちゃんと大人の自由さがある、そんな感覚。
結局、人生って何歳になっても楽しめるし、やりたいことは“今から”でも遅くないんだと思う。
周りの目とか、常識とか、そういうしがらみに縛られすぎずに、自分が「やりたい」って思ったことを素直にやってみる。
そんなふうに、“おっさん”になった今こそ、自由に生きるチャンスなのかもしれないね。
投稿者プロフィール

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北海道出身のおっさんです。
道央ブッシュクラフト協会 代表として、7年にわたりブッシュクラフトの魅力や楽しさを伝えています。アウトドアライターとしても、実体験をもとに自然と向き合う暮らしや考え方を発信中。
Web制作では、WordPressを使ったサイト構築をはじめ、写真撮影・動画制作・編集まで幅広く対応。
「伝えたいことを、伝わるかたちに。」をモットーに、自然や地域に寄り添った表現づくりをお手伝いしています。
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